東北エンジニアリング株式会社
建設コンサルタント・測量技術者のための

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セキュリティ対策

AI活用で情報漏洩を防ぐ実務的な判断基準(2025年版)

⚡ このページの結論

情報を3レベルに分けて
判断する

Lv.1: 公開情報
AI利用OK
⚠️
Lv.2: 個人情報
匿名化後のみ
🚫
Lv.3: 機密情報
原則入力禁止

迷ったら:まず情報がどのレベルか判断 → 下記の詳細ルールを確認

2025年12月時点: ChatGPT、Claude、Geminiの有料プラン(Pro/Business/Team)は、デフォルトで入力データを学習に使用しません。 ただし、「学習に使わない」≠「データを保存しない」です。 サーバーには一定期間(30日程度)保存され、法的要求で開示される可能性があります。

参考:政府ガイドライン(クリックで展開)
個人情報保護委員会(最重要)

生成AIへの個人データ入力は「第三者提供」に該当し得る。

→ 注意喚起(PDF)
デジタル庁・経産省・総務省

行政・企業向けのAI利活用ガイドライン

各レベルの詳細ルール

OK Lv.1: 公開情報(低リスク)
対象となる情報
  • 発注者名(国土交通省、〇〇県など)
  • 業務名(公示済み)、工期(公開期間)
  • 公開仕様書、一般的な技術基準
AI利用OK

既に公開されている情報のため、情報漏洩リスクは低い
無料プランでも利用可能(学習オプトアウト推奨)。有料プランならより安全。

注意 Lv.2: 個人情報(中〜高リスク)
対象となる情報
  • 地権者の氏名・住所・電話番号
  • 測量立会者情報、アンケート回答者
  • 住民の個人的意見
無料プランでは絶対に入力禁止
  • 個人情報保護法違反のリスク(第27条: 第三者提供の制限)
  • 学習に使用され、他ユーザーの回答に影響する可能性
△ 有料プランでの対応

匿名化・仮名化処理後のみ使用可
例:「〇〇さん」→「地権者A」、実際の住所→「対象地区」

禁止 Lv.3: 機密情報(最高リスク)
対象となる情報
  • 契約金額・内訳明細、見積金額・原価
  • 未公開図面・測量成果、調査生データ
  • 協議記録(未公開)、入札前の技術提案
いかなるプランでも原則入力禁止
  • 守秘義務違反・契約違反のリスク
  • 営業秘密漏洩のリスク(不正競争防止法)
  • データ保持期間中は保存され、法的要求で開示される可能性
  • 競合他社が類似質問で情報を引き出す可能性(理論上)
どうしても必要な場合

Enterprise + ZDR(Zero Data Retention)+ 数値の抽象化が最低条件。
例:5,000万円 → 「数千万円規模」、橋梁形式 → 「一般的な道路橋」
発注者との守秘義務契約がある場合は事前承認・法務確認必須

✓ 実務で使える:入力前チェックリスト

AI入力前に必ずチェック(クリック可能)
  • 個人名・住所・電話番号が含まれていない
  • 発注者名・業務名を匿名化した(または公開情報のみ)
  • 契約金額・機密情報を削除した
  • 未公開設計データではない
  • 使用プランが業務内容に適切か確認
機密情報を入力してしまったら
1
会話を即削除
2
上長に報告
3
記録を残す

削除しても30日程度はサーバーに保存される可能性あり
日時・内容・対応を記録し、必要に応じて法務部門・発注者に報告。

安全な使い方のポイント

匿名化の基本
人名: 「山田太郎」→「関係者A」
場所: 「○○市」→「対象地区」
金額: 「2,345万円」→「数千万円規模」
安全な業務活用例
一般的な技術用語の説明・公開基準の解釈
匿名化済みの業務フロー改善案・文書ドラフト
プロジェクト固有情報は完全匿名化後のみ(有料プラン)
個人名・契約金額・未公開データは入力禁止

プラン別推奨(参考)

情報レベル 無料プラン 有料プラン Enterprise+ZDR
Lv.1 公開情報
Lv.2 個人情報 × △ 匿名化後 △ 匿名化後
Lv.3 機密情報 × × △ 要相談

推奨: 業務利用は有料プラン(Business/Team)以上を推奨。無料プランは学習利用ON・履歴無期限保存のため業務非推奨。